2010年4月21日水曜日

イベント ソ連映画 ゲルマンvsカネフスキー

■上映作品
アレクセイ・ゲルマン篇
『道中の点検』1971年/97分/モノクロ/シネマスコープ/旧ソヴィエト連邦/レンフィルム製作監督:アレクセイ・ゲルマン/原作:ユーリー・ゲルマン/脚本:エドゥアルド・ヴォロダルスキー出演:ロラン・ブィコフ、ウラジーミル・ザマンスキー、アナトーリー・ソロニーツィンゲルマン監督が33歳で製作した第一作だが、ソヴィエト国内で公開されたのはそれから15年後のこと。舞台は第二次大戦下、ドイツ軍占領下のロシア北西部。ドイツの軍服を着た男がソヴィエト軍の前に現れた。この男はパルチザンに加わりたいというのだが・・・。冷静な視線、ドキュメンタリー・タッチの独特のリズムと非凡な才能を見せつけるデビュー作。    
『戦争のない20日間』102分/モノクロ/シネマスコープ/旧ソビエト連邦/1976年/レンフィルム製作監督:アレクセイ・ゲルマン/原作+脚本:コンスタンチン・シーモノフ出演:ユーリー・ニクーリン、リュドミーラ・グルチェンコ、アレクセイ・ペトレンコ原作はシーモノフの「ロバーチンの手記より」。戦線を一時離れ、銃後の町、タシケントへ仕事と休養を兼ねて赴くことになった従軍記者ロバーチンのまさに‘戦争のない’20日間が物語られていく。兵隊でごったがえした列車、疎開者たちのガラクタで埋まった共同アパートと細部にいたるまでリアルにこだわった場面が、作品全体に凄みを与えていく。
『わが友、イワン・ラプシン』98分/カラー/シネマスコープ/旧ソビエト連邦/1984年/レンフィルム製作監督:アレクセイ・ゲルマン/原作:ユーリー・ゲルマン/脚本:エドゥアルド・ヴォロダルスキー出演:アンドレイ・ポルトネフ、ニーナ・ルスラーノワ、アンドレイ・ミローノワゲルマン監督の父で有名な作家、ユーリー・ゲルマンの小説「ラプシン」などをもとに架空の小さな地方都市を舞台にした物語。今は作家になった語り手の少年時代の回想を通じて作家の父親たちの世代が物語られていく。1930年代半ばのソ連の生活が正確かつリアルに再現された。見事な撮影は前作『戦争のない20日間』で初めてコンビを組んだワレーリー・フェドーソフ。

ヴィタリー・カネフスキー篇
『動くな、死ね、甦れ!』105分/モノクロ/スタンダード/旧ソビエト連邦/1989年/レンフィルム製作監督+脚本:ヴィタリーカネフスキー出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ第二次大戦後の、日本兵が抑留されている小さな炭鉱町。12歳の少年ワレルカの無邪気な悪戯は、繰り返していくうちに母親への反発とあいまって次第に常軌をはずしていってしまう。そんな彼の前に同い年の少女ガリーヤは守護天使のように現れては危機を救ってくれる。ふたりの間に芽生えた淡い想いは思わぬ方向に向かっていく。カネフスキー、54歳の瑞々しいデビュー作。
『ひとりで生きる』97分/カラー/スタンダード/ロシア+フランス/1991年監督+脚本:ヴィタリー・カネフスキー出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ唯一ガリーヤの妹ワーリャだけが心のよりどころだったワレルカは学校を退学になると、ひとり町を出る。残されたワーリャはそんなガリーヤに手紙を送り続けるが・・・前作から3年。15歳になったふたりは好むと好まざるとにかかわらず大人の世界へと入っていかなくてはならない。『動くな、死ね、甦れ!』のその後の物語。
『ぼくら20世紀のこどもたち』84分/カラー/スタンダード/ロシア+フランス/1993年 監督+脚本:ヴィタリー・カネフスキー出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ 路上で生活する子供たちにキャメラを向けるカネフスキー。やがてキャメラは思わぬところでワレルカの面影を残したパーヴェルの姿を捉える。そして少女役のディラーナの登場。まったく異なる人生を歩み、大人になったふたりの再会が胸を締め付ける。三部作の完結篇。 

■上映スケジュールアレクセイ・ゲルマン篇4月17日(土)~20日(火)『道中の点検』4月21日(水)~24日(土)『戦争のない20日間』4月25日(日)~28日(水)『わが友、イワン・ラプシン』ヴィタリー・カネフスキー篇4月29日(木)~5月2日(日)『動くな、死ね、甦れ!』5月3日(月)~5日(水)『ひとりで生きる』5月6日(木)~7日(金)『ぼくら20世紀のこどもたち』

http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=270

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